第24章/安全規格と安全管理

グローバル化に伴い輸出入に関する様々な規格(環境対策や安全対策等)をクリア するため、製造物の安全規格や安全管理について概説する。

国際安全規格

■国際安全規格(ISO/IEC)ガイド 51

  1. 基本安全規格(A 規格)
  2. グループ安全規格(B 規格)
  3. 個別機械安全規格(C 規格)

Safty-system

このように国際安全規格の頂点に位置する A 規格には、現在のところ ISO12100 と ISO14121(機械類の安全性-リスクアセスメントの原則)の 2 つ の規格があり、 機械の安全を構築するうえで機械が持つ危険源を見つけ、評価するリスクアセスメ ントが重要視されています。

今後、全世界向けの機械の設計・製造には、国際安全規格 ISO12100 とその関連知識 が必要となります。

将来、安心で安全な社会を構築し、健全な産業の発展を育成する上からも、わが国は 機械な対応を迫られています。

  1. 基本安全規格(A 規格)

    全ての規格類で共通に適用できる基本概念、設計原則を扱う規格。 特徴としては、リスクアセスメントに基づき、

    1. ① 設計(本質安全設計)によるリスクの低減
    2. ② 安全防護
    3. ③ 使用上の情報
    と言う3つの方法を用いてリスクを低減し、安全性を確保する事を要 求している点です。
    国際標準機構(ISO)国際電気標準会議(IEC)
    ・基本概念、設計のための一般原則(ISO 12100)
    ・リスクアセスメント規格(ISO 14121)

  2. グループ安全規格(B 規格)

    安全関連設備で共通に使用されるような要素(例えば、安全に係わる 装置や電気設備、電子機器など)と、安全に係わる物理量(例えば、温 度や安全距離など)に関する規格です。

    国際標準機構(ISO) 国際電気標準会議(IEC)
    ・インターロック規格(ISO 14119)
    ・ガードシステム規格(ISO 14120)
    ・システム安全関連部(ISO 13849-1)
    ・及び安全関連部品規格(ISO 13849-2)
    ・安全距離規格(ISO 13852)
    ・突然の起動防止規格(ISO 14118)
    ・両手操作制御装置規格(ISO 13851)
    ・マットセンサ規格(ISO 13856)
    ・階段類の規格(ISO 14122)
    ・電気設備安全規格(IEC 60204)
    ・非常停止規格(IEC13850)
    ・センサ一般安全規格(IEC 61496)
    ・センサ応用規格(IEC 62046)
    ・電気的安全規格(IEC 61508)
    ・スイッチ規格類(IEC 947)
    ・EMC規格(IEC 61000-4)
    ・トランス規格(IEC 76)
    ・防爆安全規格(IEC 79)
  3. 個別機械安全規格(C 規格)

    特定の機械に対する詳細な安全要件を規定した、いわゆる製品規格。 製品例:工作機械、産業用ロボット、鍛圧機械、無人搬送車、化学プラ ント、輸送機械など。

用語説明

リスクとその低減目標について

  1. リスク= 危険源(ハザード)による被害の大きさ × 危険源(ハザード)による被害の発生確率

  2. リスクの低減目標

リスクアセスメントの手順

機械の具体的リスクアセスメントの手順例

24.4 設計者と利用者の安全に関する義務関係

リスクカテゴリーと安全性確保対策カテゴリー

人間-機械安全作業システムのモデル

24.6 リスクの低減と「使用上の情報」

24.7 規格で示される主要な安全方策

24.8 危険検出型の安全システムは本来危険!!


多発する玉突き衝突!!

24.9 踏み切りの例

危険検出型の踏切り

安全確認型の踏切り

24.10 本質安全

安全側の故障になるよう設計する思想が必要

24.11 安全管理

安全管理の手法の例
事故防止の3大要素

24.11.1 経済性と安全性のトレードオフ

経済性と安全性のトレードオフ

24.11.2 食の安全管理

食の安全確保(日経新聞より)

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